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2019年度中小企業IoT・AI・ロボット導入支援事業に採択されました

この度、当社の事業計画が兵庫県の公益財団法人 新産業創造研究機構(NIRO)が公募する2019年度ひょうご次世代産業高度化プロジェクト「中小企業IoT・AI・ロボット導入支援事業」に採択されました。

本事業では、「自動車ソフトウェア開発向け、CAN-FD通信インターフェース(暗号解読機能付き)の開発」の名称で、当社製品MicroPeckerX CAN-FD Analyzerに対して、「メッセージ認証」と呼ばれる自動車業界で規格化(AUTOSAR規格)された暗号化情報を操作する機能の実装を予定しています。

事業背景

車載通信への脅威

これまで自動車業界では、自動車に搭載されるコンピュータ(ECU)向けの車内ネットワーク通信に対して、外部からの悪意あるネットワーク侵入は考慮されないものでした。

これは、車内ネットワーク通信はクローズドな環境のため、暗号化通信の必要性は低いとともに、通信暗号化導入のためにはソフトウェアを処理する高性能マイコンやハードウェアも必要になり、技術面やコスト面での課題もあるという認識でした。

しかし、自動運転時代を見据え、車々間通信やOTAなど車外との通信需要が高まるにつれ、車外からの車内ネットワークのハッキングやデータ改ざんなど車両制御の安全性を脅かす問題が取り沙汰されています。そのため、暗号化技術を施した安全な通信の必要性が急速に高まっています。

車載通信セキュリティ

そのような中、通信データに「メッセージ認証」と呼ばれる暗号技術を付与する通信セキュリティの導入が検討されています。
メッセージ認証とは、送信側と受信側で共通鍵を保持し、共通鍵で生成したメッセージ認証コード(MAC)とメッセージの鮮度情報(Freshness Value)を付与したデータを送信することで、受信側が通信データの確からしさを照合します。そのため、外部からのデータ成りすましや改ざんされたデータを弾くことが可能になります。

現在、自動車に使われている車載通信の主流はCANですが、通信セキュリティにメッセージ認証を導入すると、複数バイトの暗号化情報のデータ追加が必要になります。CANは通信データ長が8バイトの制限があるため、最大64バイトのデータを送受信できるCAN FDと呼ばれる新しいネットワーク通信が主流になろうとしています。

車載通信セキュリティ対応ツールの要求

今後暗号化技術を施したCAN FD通信が浸透すると、従来の通信アナライザでは取り扱うことができなくなることが、自動車ソフトウェア開発者の課題になっています。そのため、サニー技研では、CAN/CAN FD通信アナライザMicroPeckerX CAN-FD Analyzerをメッセージ認証に対応することで自動車ソフトウェア開発者の課題克服を実現します。

2019年度中小企業IoT・AI・ロボット導入支援事業について

2019年度ひょうご次世代産業高度化プロジェクト「中小企業IoT・AI・ロボット導入支援事業」の採択結果ついては、下記のWebサイトをご参照ください。
2019年度ひょうご次世代産業高度化プロジェクト「中小企業IoT・AI・ロボット導入支援事業」採択企業・事業名称一覧