スタンドアロン型LINダイアグツール
LINマスタ通信に対応したECU書換用スタンドアロンツール。ディーラーや評価現場でPCレス運用が可能
課題
- ECUの一部データをLIN通信で直接書き換えたい
- ディーラーや整備現場で使用するため、PCレス・簡単操作のツールが必要
- ECUとツールの1対1通信で確実なリプログを行いたい
- リプログ用途に拡張できる仕組みを希望
- PCから通信コマンドをロード可能な仕組みも備えておきたい
- コロナ禍で部品入手が難しいが、ツールは500台必要
アプローチ
ディーラー現場での使いやすさと確実な通信を両立するため、スタンドアロン型LINダイアグツールを開発しました。

本ツールは、LINマスタとしてECUと直接接続し、事前に登録されたコマンドを用いて改修・診断通信を単独実行できる専用ハードウェアです。
ブザー音とLED表示により、結果を直感的に確認できます。
主な特徴
- スタンドアロン動作
PC不要で単独動作可能。VBATまたは外部VCCより電源供給し、ディーラー現場でも使用可能。 - LINマスタ通信対応
LIN2.1規格準拠(19200bps)、拡張チェックサム対応。改修・診断コマンドを送受信可能。 - 簡単操作インターフェース
プッシュスイッチ1つで処理を開始、LED(橙/緑/赤)で通信状態や結果を表示。 - 判定結果の視覚化
Pass/Fail判定をLEDとブザーで通知。通信異常や応答エラーも即座に検知。 - 小型軽量設計
約105×70×20mm/100〜200g。現場持ち運びに最適。 - 将来拡張性
シリアル通信I/Fおよび外部ROMを搭載(PC経由でコマンド書換・設定更新が可能)。
成果
- ディーラー現場での改修作業をPCレス化し、操作時間と手間を大幅に削減
- LED・ブザーによる視覚/聴覚フィードバックで作業者の判断ミスを防止
- ECUとの確実な通信により改修成功
- PCツール連携によりリプログ用・診断用コマンドの切替が容易
- 今後のファーム更新や通信仕様追加にも対応可能な拡張設計を採用
技術要素
- 通信仕様:LIN 2.1 マスター/19200bps/拡張チェックサム
- 通信構成:D-Sub9ピン(LIN、VBAT、GND)
- 電源供給:VBATまたは外部VCC(0.5W以下)
- ユーザーI/F:
- スイッチ:処理開始(1個)
- LED表示:橙(初期化完了)、緑(成功)、赤(失敗)
- ブザー:短1回=起動/長1回=成功/短3回=失敗
- シーケンスフロー:
- 電源ON → 初期化完了(橙LED点灯、短音1回)
- スイッチ押下 → LIN送信(要求)
- ECU応答待ち → 成否判定
- Pass時:緑LED点灯+長音1回/Fail時:赤LED点灯+短音3回
- 外部I/F:
- シリアル通信端子(将来拡張用/USB-Serial互換)
- 外部ROM(128KB)で通信設定保持
- 筐体・環境:
- ABS樹脂ケース(耐熱-10〜60℃)
- 動作温度0〜40℃、湿度80%以下(結露なきこと)
よくある質問
Q. PCを使わずに通信できますか?
A. はい。LINマスタ通信を内蔵しており、ツール単体でECUに対する改修・診断通信が可能です。
Q. ディーラーや現場での扱いは難しくありませんか?
A. いいえ。スイッチ1つで操作でき、LEDとブザーで結果を明確に表示するため、専門知識がなくても扱えます。
Q. ほかのLINコマンドにも対応できますか?
A. 可能です。設定用PCツールを使えば、通信スケジュールやコマンド内容を変更・追加できます。
Q. 将来的にリプログ用途にも利用できますか?
A. はい。外部ROM/シリアルI/Fを活用することで、リプログツールとしての拡張が可能です。
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