複雑なHSMへの鍵書き込みをシンプルかつセキュアに実現する鍵管理ツール
HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)搭載マイコンの鍵登録、鍵管理を手軽にセキュアに実現。
背景と課題
セキュリティ強化の波が、開発現場を悩ませている
コネクテッドカーや自動運転技術の進化に伴い、車載ECUには「つながる」ための高度なセキュリティ技術が必須となっています。
ECU間通信におけるデータの真正性と完全性が求められ、その中核を担うのが、HSM(Hardware Security Module)内蔵マイコンです。

HSMの特長
暗号処理の専用ロジックを搭載
HSM内のセキュアな領域はCPUから直接アクセスできない
ユーザーの課題
しかし、HSMはそのセキュアな構造上、鍵の書き込みや管理に専門知識が必要で、開発のハードルとなっています。
- HSMの仕様が理解しづらく、動作検証ができない
- 汎用フラッシュライタでは鍵を書き込めない
- セキュアブート設定が複雑で評価が進まない
- 独自の鍵管理システムを開発するには高コスト
サニー技研の車載マイコンセキュリティソリューション
難解なHSMの鍵書き込みをGUIアプリケーションからCAN FD/シリアルで手軽に実施。
HSM鍵管理ツールを使えば、セキュリティの専門知識がなくても、GUIアプリケーションで鍵登録が完了。
HSM搭載マイコンを安全・簡単に扱うことができます。
開発時・評価時・量産時のあらゆる鍵登録を、1つの共通ツールでシームレスに実現できます。
HSM鍵管理ツールの機能
| 機能カテゴリ | 説明 |
|---|---|
| 🔑 鍵書き込み | CAN/CAN-FDまたはUART経由でHSMのSecure Data Flashに安全に登録。 |
| 🗂️ 鍵データ管理 | 生鍵からSHE形式データを自動生成。MCU UIDごとに鍵データベースを作成。暗号化エクスポート/インポート対応。 |
| 📋 ログ・品質管理 | ECUごとの鍵書き込み履歴を自動ログ化し、トレーサビリティを確保。 |
| 💻 簡易GUI操作 | 鍵設定後わずか2クリックで登録完了。登録内容・結果を即時確認。 |
対応マイコン
Renesas Electronics RH850/F1KM-S1、RL78/F23,F24
対応マイコン拡大予定
開発から量産までを支えるワークフロー
-
開発現場でのな鍵登録
PCとMicroPeckerXを接続し、GUIアプリケーションでHSMに鍵登録。 -
量産ラインでの鍵書き込み
暗号化した鍵データベースを工場側ツールにインポートして使用。 -
ログによる品質保証
各ECUのUIDと鍵書き込み履歴をログ出力し、製造トレーサビリティを確立。
開発・製造が同一環境で接続され、安全で再現性のある鍵管理体制を構築可能です。
技術的裏付けと支援実績
実機検証で裏付けられたセキュリティ技術
サニー技研が長年培ってきたHSMベースのセキュリティドライバ開発、セキュアブート/MAC鍵管理の実装支援実績に基づいています。
- HSM搭載マイコンを用いた実機検証と内部動作可視化
- 顧客仕様に基づく検証項目表の作成と検証環境構築
- AUTOSAR BSW/FBLを活用したセキュリティ実装支援
これにより、ツールは単なる「鍵書き込みユーティリティ」ではなく、実開発・実証の現場で使える信頼性のあるツールとなっています。