CXPI評価ボード《S810-CXG4》

CXPI評価ボード《S810-CXG4》

CXPI評価ボード《S810-CXG4》は、次世代車載LAN規格CXPIに対応した評価ボードです。ルネサスエレクトロニクス製RL78/F14マイコンを搭載し、CXPI通信1ch、CAN通信1chを実装。CAN/CXPI評価やボディ系ECU開発に最適な設計により、効率的な車載ネットワーク開発を実現します。

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車載通信CXPIの評価・開発を効率化

車載ネットワーク開発における新たな選択肢

自動車のボディ系システムにおいて、LINの後継として注目されるCXPI(Clock Extension Peripheral Interface)。 スレーブノードからのイベント送信と柔軟なネットワーク構成を実現するこの次世代規格に、いち早く対応することが競争力の鍵となっています。

CXPI導入における開発課題

  • CXPIの新規格に対応した評価環境の構築が困難
  • 既存のCAN/LINネットワークとCXPIの混在環境での検証が複雑
  • CXPIマスター/スレーブ両モードでの動作確認に時間がかかる
  • ゲートウェイ機能の実装と評価に適した環境が少ない
  • 実車に近い条件でのCXPI通信品質の検証が難しい

S810-CXG4による課題解決

CXPI評価ボード《S810-CXG4》は、車載LAN導入黎明期から実績を積んできたサニー技研が、次世代通信規格CXPIにいち早く対応した評価ボードです。CXPI通信とCAN通信を同時に扱え、ゲートウェイ評価から実車環境シミュレーションまで、幅広い開発ニーズに対応します。

CXPI評価ボードの特長

車載通信CXPIに対応

CXPI評価ボード全体像

CXPIとCANの統合評価環境

ROHM製BD41000AFJ-C CXPIトランシーバとNXP製TJA1040T CANトランシーバを搭載。次世代のCXPI通信と既存のCAN通信を1枚のボードで評価可能です。

柔軟なマスター/スレーブ切り替え

ジャンパ設定により、CXPIのマスターモードとスレーブモードを簡単に切り替え可能。多様なネットワーク構成での評価を効率的に実施できます。

充実したデバッグ・評価機能 - 開発効率を最大化

機能ブロック図

視覚的な動作確認を実現

開発・デバッグを効率化する豊富なI/O機能を搭載:

  • 7セグメントLED×2: 通信状態やエラーコードの表示
  • プッシュスイッチ×2: イベントトリガーや機能切り替え
  • ディップスイッチ(2bit): 動作モードの設定
  • リセットスイッチ: システムリセット機能

高性能16ビットマイコン搭載 - ボディ系ECU開発に最適

RL78/F14マイコンの特長

  • 高速処理: 最大32MHz動作
  • 豊富なメモリ: ROM 48KB、RAM 4KB、Data Flash 4KB
  • 車載向け設計: 高信頼性、低消費電力
  • 充実したペリフェラル: CXPI、CAN、UART対応

開発サポート

E1エミュレータコネクタを標準装備。ルネサス純正開発環境との完全な互換性により、効率的なソフトウェア開発とデバッグが可能です。RAMモニタ機能にも対応し、リアルタイムでの動作解析を実現します。

通信インターフェース仕様

CXPI/CANデュアル通信対応

通信方式仕様項目詳細
CXPIチャンネル数1ch
トランシーバROHM BD41000AFJ-C
最大通信速度20kbps
動作モードマスター/スレーブ(ジャンパ切替)
コネクタ3ピン(VBAT、BUS、GND)
CANチャンネル数1ch
トランシーバNXP TJA1040T
対応規格CAN 2.0A/B
最大通信速度1Mbps
終端抵抗ジャンパで有効/無効切替可能

活用シーン

多様な開発フェーズに対応

1. CXPI通信評価

基本通信機能の確認

CXPIプロトコルの実装と検証、マスター/スレーブ動作の確認、通信品質の評価を効率的に実施。7セグメントLEDで通信状態をリアルタイム表示。

ネットワーク構築評価

複数のCXPIノードを接続した車載ネットワークの構築と評価。実車環境を模擬した通信負荷試験も可能です。

2. CAN/CXPIゲートウェイ開発

プロトコル変換機能

CANネットワークとCXPIネットワーク間のゲートウェイ機能の実装と評価。異なる通信速度間でのデータ変換処理を検証。

統合システム評価

既存のCAN機器と新規CXPI機器の混在環境での協調動作確認。段階的な移行戦略の検証に最適。

3. ボディ系ECU開発

ワイパー・ライト制御

スイッチ入力による制御ロジックの実装、7セグメントLEDでの状態表示など、実際のボディ系ECU機能を模擬。

センサー統合

I/Oポートを活用した各種センサーとの接続、CXPIネットワークへのセンサーデータ送信機能の実装。

製品仕様

ハードウェア仕様一覧

項目仕様
製品型名S810-CXG4
搭載マイコンルネサスエレクトロニクス RL78/F14 (R5F10PBDLNA)
動作クロック最大32MHz(水晶発振器:8MHz)
内蔵メモリROM: 48KB、RAM: 4KB、Data Flash: 4KB
CXPIインターフェース1ch(ROHM BD41000AFJ-C搭載)
CANインターフェース1ch(NXP TJA1040T搭載)
表示デバイス7セグメントLED×2
入力デバイスプッシュスイッチ×2、ディップスイッチ(2bit)×1、リセットスイッチ×1
I/Oポート3ポート(汎用I/O)
デバッグインターフェースE1エミュレータコネクタ(14ピン)
電源入力DC12V(ACアダプタ付属)
消費電力最大210mA(12V入力時)
動作温度範囲0~45℃(結露なきこと)
外形寸法(W)80×(D)80mm
重量約45g

付属品

  • ACアダプタ(入力: AC100-240V、出力: DC12V/1.0A)
  • CXPIケーブル(3ピンストレート結線、200mm)
  • ハードウェアマニュアル(PDF形式、ダウンロード提供)

※以下は付属しておりません

  • CANケーブル、LINケーブル
  • サンプルソフトウェア

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よくあるご質問

Q: CXPIとLINの違いは何ですか?

A: CXPIはLINの後継規格として開発され、柔軟なネットワーク構成、イベントトリガ通信などの機能が追加されています。

Q: マスターモードとスレーブモードの切り替えはどのように行いますか?

A: ボード上のジャンパ(JP15)で簡単に切り替えできます。また、マイコンからソフトウェア制御での切り替えも可能です。詳細はハードウェアマニュアルをご参照ください。

Q: 既存のCANネットワークと接続できますか?

A: はい、CAN通信インターフェースを搭載しているため、既存のCANネットワークと接続してゲートウェイ評価が可能です。終端抵抗もジャンパで設定できます。

Q: サンプルソフトウェアは提供されますか?

A: 基本的な通信サンプルコードについては、技術サポートにてご相談を承っております。お客様の具体的な評価内容に応じて、最適なサポートを提供いたします。

Q: 複数のボードを接続してネットワーク評価はできますか?

A: はい、複数のS810-CXG4を接続してCXPIネットワークを構築できます。マスター1台に対して複数のスレーブを接続した実車に近い環境での評価が可能です。

Q: 電源仕様について教えてください。

A: DC12V入力(付属ACアダプタ使用)で動作します。車載環境を想定した12V系での評価に最適です。消費電力は最大210mAと低消費電力設計となっています。

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