ローミング電子タグシステム

現場で“つながる”名札型デバイスで、指示・実績・在庫・位置文脈を可視化し、紙と移動をゼロに近づける

課題

  • 工場現場では帳票や作業指示を紙で運用しており、貼付・記入・廃棄作業の手間が大きい
  • 作業者がPCまで移動して条件確認や実績入力を行うなど、手扱い時間が増大
  • 紙帳票の電子化にはシステム構築コストがかかり、全面デジタル化が難航
  • 工程や場所ごとに情報が分断し、現場でリアルタイムな情報共有ができない
  • 製品や部品の移動に伴う貼り換えミスや作業漏れが発生しやすい

アプローチ

サニー技研の電子タグシステムは、920MHz帯の専用無線ネットワークと電子ペーパー表示を用いて、紙帳票を代替する低コストな見える化基盤を提供します。

電子タグ

  • ローミング機能(特許取得済):電子タグが移動しても通信を維持し、所在追随と自動更新が可能
  • 電子ペーパー採用:省電力で長時間表示を維持、電源OFFでも情報を保持
  • 表示内容の自動切替:作業者や場所に応じてリアルタイムに表示を更新
  • システム連携:上位MESや倉庫システムとJSON/CSV/XML形式でデータ連携し、双方向の情報授受を実現
  • レイアウト自由度:タグ表示はお客様側でカスタマイズ可能(画像ファイル生成ツール「imgCreator」付属)
  • 専用ネットワーク構成:AP/RT/EDの多段構成で、30〜50mの通信距離と1システム最大30万タグ管理を実現

成果

  • 帳票印字・貼替・廃棄の削減によりランニングコストを低減
  • 貼り換えミス防止と作業効率化を同時に実現(生産工程例:従来比 30% 作業削減)
  • 装置・工程・在庫のステータスをリアルタイムで可視化
  • 24時間稼働に対応し、4000枚規模の実運用実績あり(工程進捗表示システム)
  • MESやWMSと連携し、指示配信/結果報告を自動化

技術要素

  • 通信仕様
    • 無線規格:ARIB STD-T108準拠(M2COMM製/独自プロトコル)
    • 周波数帯:920MHz(923±0.4MHz/5ch同時)
    • 通信距離:30〜50m/AES-128暗号化
  • デバイス
    • 表示:電子ペーパー(2.9インチ/白黒・赤白黒)
    • 電池:CR2032×3/寿命約0.9年(30回/日更新・20回ローミング想定)
    • サイズ:91×42×11mm、表示解像度 296×128pixel
    • 静電防止筐体/防塵対応/電源OFF時も保持
  • システム構成
    • Daemon(制御S/W):タグネットワーク管理(Windows/Linux対応)
    • EDServer・管理画面:タグ制御・可視化・JSON通信
    • imgCreator:タグ表示画像生成ツール(XML+CSV入力対応)
    • AP:最大30台/Daemon、RT:最大15台/AP、ED:最大1000台/RT
    • 通信距離:階層間30〜50m、専用無線ネットワーク
  • 安全性
    • AES暗号通信/プリシェアードキー更新
    • 電波干渉防止(Wi-Fi共存可能)

運用事例

  • 工程進捗表示
    • 製品ごとにタグを取付け、Wip-In/Outタイミングで自動書換
    • フロア間を移動しながら工程進捗を可視化(最大40回/日書換)
    • 書込失敗を検出しApp経由で通知する仕組みを構築
  • その他用途
    • 設備使用可否表示、実行条件表示
    • 会議室使用中/空き表示
    • 倉庫ピッキング対象表示/在庫トラッキング

導入時の留意事項

  • 周波数帯(920MHz)干渉の確認が必要(ノイズ調査推奨)
  • 更新時間(約12〜20秒)を考慮し、自動ラインでは事前検証が必要
  • AP/RT設置は電源と有線LAN確保を前提
  • 電池交換サイクル(半年〜1年)を想定
  • RT故障時は検知仕組みの組込み推奨
  • 更新失敗時の残留表示に対するリカバリ設計を推奨

体制・期間

  • 体制:PM/ネットワーク設計/アプリ開発/MES連携/現場導入サポート
  • 導入期間:PoC(試験導入)1〜2か月 → 本番展開(工程別)2〜4か月
  • サポート:無線調査、レイアウト設計支援、保守体制構築まで一貫対応

よくある質問

Q. 電子タグはどの程度の距離まで通信できますか?
A. 30〜50m(電波状態により変動)。RTを中継することで拡張可能です。

Q. MESや在庫管理システムとの接続は可能ですか?
A. JSON/CSV/XMLのデータ形式で双方向連携可能です。

Q. 電波干渉の懸念はありますか?
A. 920MHz帯を使用しており、Wi-FiやBluetoothとの干渉はほぼありません。

Q. タグの表示は自由に設計できますか?
A. 専用ツール(imgCreator)で任意レイアウトを設定可能です。QRコードやバーコード表示にも対応しています。


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