この度、中小企業庁の令和7年度成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の採択結果が発表され、公募申請253件、採択124件の中から、当社の研究計画が採択されました。
「ECU統合化に向けた車載制御システムを対象としたCAN通信リアルタイムセキュリティ診断装置の研究開発」をテーマに2028年3月までの研究計画となります。
近年、自動運転やコネクテッドカーの普及を背景に、ECU統合化や車載Ethernet通信の採用が進んでいます。その一方で、車両の末端で制御を担うエッジECUでは、依然として車載ネットワークの主要通信方式であるCAN通信が利用される見込みです。こうした状況から、CAN通信のサイバーセキュリティ強化が大きな課題となっています。
本研究では、事業管理機関の公益財団法⼈中部科学技術技術センターのもと、国立大学法人名古屋大学と共同で、CAN通信の脆弱性に起因するさまざまなインシデント(サイバー攻撃・不正アクセス等)を効率的に分析・診断できるリアルタイム診断装置の開発を行います。これまで自動車部品メーカー各社が個別に対応していたセキュリティ診断を標準化し、共通の診断基準・装置によるインシデント対応を可能にすることで、業界全体の安全性と効率性向上を目指します。
また、AIを活用したインシデント分析の自動化や診断作業の大幅な効率化も視野に入れ、今後求められるグローバルなセキュリティ規格にも柔軟に対応できるシステムの実現を目指します。
研究開発の概要
研究開発計画名
ECU統合化に向けた車載制御システムを対象としたCAN通信リアルタイムセキュリティ診断装置の研究開発
研究概要
近年、⾃動⾞のCAN通信はハッキングリスクが⾼まり、外部攻撃への対応が課題となっている。本研究では、名古屋⼤学のサイバーセキュリティ対策技術を基に、CAN通信における代表的な攻撃を分類・再現し、セキュリティ診断システムを開発する。これにより、セキュリティリスクを分析し、未知の攻撃にも対応可能なセキュリティ対策を強化。診断時間を従来の1/4に短縮し、⾃動⾞産業の統⼀基準構築を⽬指す。
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)とは
成長型中小企業等研究開発支援事業は、中小企業者等による精密加工、表面処理、立体造形等のものづくり基盤技術及びサービスの高度化を図ることを目的として、中小企業者等が大学・公設試等と連携して行う、研究開発や試作品開発、その成果の販路開拓に係る取組を支援するために行うものです。
令和7年度予算「成長型中小企業等研究開発支援事業」については、下記のWebサイトをご覧ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/support/innovation/2025/250626saitaku.html