MicroPecker LINバスアナライザは、LIN通信のモニタリング機能に加え、機能性を更に拡張したノードシミュレーション機能を備えたLINバスアナライザです。
ノードシミュレーション機能はLIN通信ネットワークのマスターノードまたはスレーブノードを模擬したノードシミュレーションが可能で、LIN通信における様々なエラーシミュレートや詳細な条件設定でのLINフレーム送信機能など、LIN通信の評価に必要な機能に対応しています。
特長
LIN通信のモニタリング機能
LIN Revision 1.3、2.0、2.1に対応したLIN通信のバスモニタリング、LIN通信のノードシミュレーションが可能です。
LIN通信のモニタリング機能は、接続されたLINバスのフレームデータをモニタリングします。
- 特定フレームデータを受信条件に設定して、トリガ検出によるロギング開始、停止制御ができます。
- フィルタ機能により表示出力するフレームを制限することができます。
- 任意のフレームにラベル名の付与や強調表示を行うことができます。
- モニタリング中に現時点の出力内容を取得できるキャプチャ機能があります。
- モニタ時、LIN ID毎の最新フレームのみを一覧で表示することができます。
- LINモニタ中のLIN通信バスの負荷状態をリアルタイムグラフ表示で確認できます。
- シグナルモニタ機能
フレームデータ上のシグナル値を物理値に変換しリアルタイムで表示することができます。また、物理値をグラフ化しリアルタイムでその変化をみることができます。
マスターノードシミュレーション機能
LIN通信ネットワークのマスターノードの動作をシミュレートする機能です。
スケジュールを設定して自動的に送信する「スケジュール送信機能」、およびトリガによって送信する「割り込み送信機能」を持ちます。エラーシミュレート(SyncBreak、SyncField、CheckSum、ShortMsg、Framing)、WakeUpパルス、Sleepコマンド送信も選択ひとつで設定が可能です。また、Sleep状態からマスターノードシミュレーションを開始することも可能です。
1.スケジュール送信機能
スケジュールを設定して自動的に送信します。
設定できるスケジュールの数は16、各スケジュールには最大64フレームを登録できます。
スケジュールの切替えは、特定条件のモニタフレーム検出やキー入力をトリガ条件に設定して変更が可能です。
LIN ID毎にパターンファイルの使用や送信中のデータ変更も可能で、LDFからのマスターノードスケジュール設定にも対応しています。
2.割り込み送信機能
イベントトリガに従って任意のフレームを送信します。
キーボードからのキー入力、モニタフレーム、ユーザによるボタン押下がトリガとして使用できます。
3.ログ再生モード
読み込んだLINモニタログファイルにしたがってフレームを送信します。
GUI上でログ編集が可能なLog Editorを同梱しています。
スレーブノードシミュレーション機能
LIN通信ネットワークのスレーブノードの動作をシミュレートする機能です。
LIN通信で使用する64個のIDの全てに対してレスポンスの応答メッセージを設定することができます。
LIN ID毎にパターンファイルの使用や送信中のデータ変更も可能で、LDFからのスレーブレスポンスID設定にも対応しています。
応答エラーの設定(CheckSum、ShortMsg、Framing)もドロップダウンメニューから簡単に選択可能です。
また、Sleep状態からスレーブノードシミュレーションを開始することも可能です。
LIN通信のモニタデータ解析機能
- シグナル値測定
特定IDのシグナル値の変化をトレースします。
取得したモニタリングデータからシグナル値と物理値変換後の値と、物理値の最大値と最小値の値表示およびタイムスタンプを表示します。物理値はグラフ表示も可能です。 - バス負荷計測
任意の単位時間あたりのLINバスの負荷を計測します。
- LDFシグナルインポート
LDFファイルに記されたシグナルをインポートし、その値の変化をシグナル値同様トレースします。
LDF読込みによる設定が可能
LIN Configuration Language Specificationに準拠したLIN Description File(LDF)による設定に対応しています。
シグナル、マスタースケジュール設定、スレーブレスポンスIDを、LDFから一括設定が可能です。
S810-LAS製品からの乗り換えも簡単
サニー技研製LINアナライザ《S810-LAS》のコンフィグレーションファイルのコンバータツールを同梱しています。
これまでの資産を生かしてスムーズにMicroPecker LIN Analyzerへ移行できます。
MicroPecker LIN Analyzerと従来製品《S810-LAS》との機能比較表
LIN_Analyzer_SpecCompare.pdf (70KB)[2012.10.1]
マルチチャンネル同期モニタリング機能
MicroPeckerを複数台組み合わせることで、マルチチャンネルモニタリングが可能になります。
同一GUIアプリケーションで、最大6chのモニタデータ表示が可能、複数chモニタデータのMIX表示も可能です。
CAN/LINの複数プロトコルを組み合わせたマルチプロトコル同期モニタリングも対応しています。
デモ動画
製品仕様
製品型名:《S810-MP-A2》
製品名:MicroPecker LINバスアナライザ
◆同梱品
- MicroPecker本体
- MicroPecker用LINケーブル
- USB延長ケーブル
- ソフトウェア、マニュアル(Webサイトからダウンロード)
◆MicroPecker本体仕様
ホストインターフェイス | USB 2.0 High Speed(480Mbps) | |
ホスト動作環境 | PC[*1] | IBM PC/AT互換機 |
OS[*2] | Windows 11(64bit), 10(64bit), 8.1(64bit) | |
CPU | Celeron 1.6GHz 以上を推奨 | |
ハードディスク | 50Mbyte以上の空き容量[*3] | |
メモリ | 1Gbyte以上を推奨 | |
USBポート | USB2.0(High Speed)対応で、接続するMicroPecker本体の台数分必要[*4] | |
ディスプレイ | 解像度:1024×768以上を推奨 | |
その他 | モニタ、キーボード、マウス | |
電源 | USB Bus Power(5V、400mA) | |
寸法[*5] | 62(W)×30(D)×12(H)mm | |
重量 | 35g |
[*2]:仮想環境での動作は非対応です。
[*3]:ロギングファイルをローカルハードディスクに保存する場合は、十分なハードディスクの空き容量を確保してください。
[*4]:外付けのUSBハブを用いて接続する場合は、必ずセルフパワー対応機器を選定いただき、外部より電源を供給した上で接続してください。USBハブをバスパワー駆動で接続した場合、動作しない、または不安定になることがあります。
[*5]:寸法には、接続端子の突起部は含まれておりません。
◆MicroPecker用LINケーブル仕様
信号 | VBAT、GND、LIN ※ICクリップ(灰色)を使用 |
ケーブル長 | MicroPecker~ドライバユニット:150mm ドライバユニット~ICクリップ:450mm 全長:638mm |
シールド | あり |
機能仕様
MicroPecker LINバスアナライザ仕様
マルチチャネル同期機能 | |
対応チャンネル数 | 1CH/1台、MicroPecker最大6台までの同時接続が可能 |
同期機能 | モニタタイムスタンプ、送信タイミング、ログ再生送信タイミング |
モニタ機能 | |
タイムスタンプ分解能 | 1μsec |
ロギング容量 | ロギング先のディスク容量に依存 |
トリガモード | フリーRUN、開始トリガ、終了トリガ |
トリガ条件 | 指定フレーム受信 |
ロギング出力先 | ファイル、画面上(最大40万レコード) |
ロギング書式 | テキスト(CSV)、16進数出力 |
RAMモニタとのタイムスタンプ同期 | 対応 |
通信ボーレート | 以下の14種類が選択可能 500bps, 600bps, 1kbps, 1200bps, 2400bps, 4800bps, 5kbps, 9600bps, 10kbps, 10417bps, 14400bps, 15kbps, 19200bps, 20kbps |
シグナルモニタ機能 | |
シグナル設定数 | 64 |
エンコード形式 | なし/物理値/論理値/BCD変換/ASCII |
モニタ中のシグナル表示 | 対応 |
モニタ中のグラフ表示数 | 1 |
ノードシミュレーション共通機能 | |
送信時間の分解能 | 1msec |
モニタ開始時ステータス | Wakeup/Sleep選択可能 |
マスターシミュレーション送信機能 | |
設定スケジュール数 | 最大16 |
スケジュール名 | 8文字まで入力可能 |
スケジュール設定 | 有効無効、繰り返し |
スケジュール遷移イベント種別 | ログトリガ、キートリガ、ユーザによる切替え |
スケジュール操作 | 一時停止、スケジュール切替え |
設定フレーム数 | 最大64フレーム |
送信Delay | 1ms~60000msの範囲で設定可能 |
フレーム種別 | 送信、受信、Wakeupパルス、スリープコマンド 送信と受信にはエラー設定可能 パターンファイル使用可能 |
ヘッダーエラー種別 | SyncBrk.Long、SyncBrk.Short、SyncBrkField、Parity |
レスポンスエラー種別 | CheckSum、ShortMsg.(1~8)、Framing(1~CS) |
パターンファイルイベント種別 | タイマ、フレーム受信トリガ、キートリガ |
パターンファイルタイマ | 50ms~60000msの範囲で設定可能 |
割り込み送信設定フレーム数 | 最大16フレーム |
割り込み送信フレーム種別 | 送信、受信、Wakeupパルス、スリープコマンド 送信と受信にはエラー設定可能 |
割り込み送信トリガ種別 | フレーム受信トリガ、キートリガ、なし |
スレーブシミュレーション送信機能 | |
設定フレーム数 | 最大64フレーム |
フレーム種別 | 応答 応答にはエラー設定可能 パターンファイル使用可能 |
レスポンスエラー種別 | CheckSum、ShortMsg.(1~8)、Framing(1~CS) |
パターンファイルイベント種別 | タイマ、フレーム受信トリガ、キートリガ |
パターンファイルタイマ | 50ms~60000msの範囲で設定可能 |
ログ再生送信機能 | |
送信時間の分解能 | 1msec |
先頭フレーム送信オフセット | 0ms~60000msの範囲で設定可能 |
ログ再生開始タイミング | モニタ開始、フレーム受信トリガ、キートリガ |
転送モード | リピートモード、単転送モード |
LDF読込み | |
LDFインポート対象 | 表示シグナル指定、モニタ中のシグナル表示、マスタースケジュール取り込み、スレーブレスポンスID取り込み |
ログ解析機能 | |
解析対象 | LDFシグナル取り込み、バス負荷解析、シグナル解析 |
無償オプション製品
MicroPecker LIN アプリケーション開発ライブラリ
MicroPecker LIN アプリケーション開発ライブラリは、MicroPecker を制御するAPI群を提供する開発キットです。MicroPecker LIN アプリケーション開発ライブラリが提供するAPI群を活用することで、ユーザ作成のWindowsアプリケーションからMicroPecker LIN Analyzerを制御することが可能です。
本製品を利用することで、MicroPeckerをインターフェイスにして、LINバスモニタリング、LINフレームメッセージの送受信が可能なカスタムアプリケーションの作成が可能です。
本製品は専用ページから無償ダウンロードが可能です。
MicroPecker アプリケーション開発ライブラリの詳細はこちらをご覧ください。
本製品は組込みに関するお問い合わせ等の技術サポートには対応していません。お問合せ、技術サポートをご希望される場合は、別途、サポートパックへのお申し込みが必要です。
製品型名 | 製品名 |
S810-MP-SDK3N | MicroPecker LIN アプリケーション開発ライブラリ |
S810-MP-SDK-SPT | MicroPecker アプリケーション開発ライブラリ サポートパック |
◆MicroPecker アプリケーション開発ライブラリ 開発環境
開発言語 | Cインターフェイスを利用できるいずれかの言語 (Visual C++(7.1以降)、Visual C#、Visual Basic.NET等) |
PC | Microsoft Windowsが動作するIBM PC/AT互換機 |
対応OS[*1] | Windows 11(64bit), 10(64bit), 8.1(64bit) |
CPU | Celeron 1.6GHz 以上を推奨 |
ハードディスク | 50Mbyte 以上の空き容量 |
メモリ | 1Gbyte 以上を推奨 |
USBポート | USB2.0 搭載(Hi-Speed) |
CD-ROMドライブ | 本製品をインストール時に使用 |
画面解像度 | 1024×768 以上を推奨 |