CAN通信ソフトウェア 《CioRy 通信ミドルCAN / CAN FDパッケージ》

CioRy 通信ミドルCAN / CAN FDパッケージは、車載ECU向け組込みCAN通信ミドルウェア(CAN FD通信ミドルウェア)とコンフィグレータのパッケージ製品です。

CANドライバ、COM、NM(Network Management)を搭載しており、CAN通信 / CAN FD通信を使った高品質な組込みアプリケーションを短期間で開発することが可能です。通信設定は、パソコンで操作可能なコンフィグレータツールが付属しています。

CioRyは、自動車メーカー、部品サプライヤーなどから、40以上のECU開発プロジェクト、量産プロジェクトで使用されています。

CioRy 通信ミドルCAN / CAN FDパッケージとは

1.高品質な通信ミドルウェアで開発工数削減

CAN通信/CAN FD通信を実現する手段として最適な組込み通信ソフトウェアがCioRy 通信ミドルCAN / CAN FDパッケージです。

CAN通信ミドルウェアのモジュール構成として、CANドライバ、COM、NMを備えており、CAN通信のメッセージ送受信やスリープ・ウェイクアップ処理、様々な通信エラー通知は、CioRy通信ミドルウェアが全て対応します。

ソフトウェアの品質として、ソースコードは自動車向け車載ECUソフトウェア開発ではデファクトスタンダードとなっているC言語コーディングガイドのMISRA-Cに準拠しています。

ユーザーは、CioRy 通信ミドルCANパッケージを利用することでCAN通信ソフトウェアの開発工数を削減し、アプリケーション開発に注力することが可能になります。

2.車載ECU向けCAN通信に必要な機能を実装

CioRy 通信ミドルCAN / CAN FDパッケージでは、車載ECUでのCAN通信に求められる様々な機能を実装しています。

フェールセーフ機能では、アプリケーションへのエラー通知を備えていますので、通信状態に合わせてアプリケーション制御が可能です。

サニー技研の車載向けCAN通信ソフトウェア開発のノウハウを詰め込んでいますので安心してご利用頂けます。

機能
送信タイミング制御機能
定期送信
イベント送信
イベント+定期送信
フェールセーフ機能
受信途絶判定
DLCチェック
送信デッドライン検出機能
バスオフ検出機能
メッセージレジスタ固着チェック判定

3.アプリケーションからシグナルベースでデータアクセス

CAN通信、CAN FD通信の送受信、周期処理などの機能は、CioRy通信ミドルウェアが担います。

アプリケーションからはシグナル名によって任意のタイミングでメッセージの送受信が可能です。CAN / CAN FDメッセージへのシグナルデータのパッキング、アンパッキングはCioRy通信ミドルウェアが行いますので、アプリケーションはCAN CAN FDフレームを意識せずに、必要なデータ単位で送信・読み出しを行うことができます。

4.低負荷、省ROMサイズのCAN通信ソフト

車載ECU向けCAN通信ミドルウェアとして、車載ECU要件に必要な機能を盛り込みながらも、CioRy 通信ミドルCAN / CAN FDパッケージはマイコンに対して低負荷動作、省ROMサイズを実現しています。

CAN通信内部モジュールは、サニー技研独自のクラスタリング技術でサイズダウンと高速化を実現しています。

これはモジュール内部のアーキテクチャをクラスタリング化することで、モジュール間のオーバーヘッドを軽減し、ローエンドマイコンでも軽快に動作するためにマイコン負荷軽減を図っています。

CioRy通信ミドルCAN FDパッケージは、CAN通信、CAN FD通信の両方に対応しています。

通信ミドル ROM RAM 測定条件
CAN
13.3KB
632byte
RL78/F14
コンパイラ:IAR
CAN通信速度:500Kbps
送信フレーム数:5フレーム
受信フレーム数:10フレーム
送信シグナル数:50シグナル
受信シグナル数:100シグナル
CAN FD
16KB
800byte
RH850/F1K
送受信各2フレーム(DLC64)
受信キュー 25段
CioRy ROM/RAM使用量参考値

5.拡張性

CioRyのCAN/CAN FD通信ミドルウェアは、オプションモジュールを組み合わせて機能拡張が可能です。

車載通信セキュリティの対応が必要の場合は、AUTOSAR準拠のCioRyセキュリティオプションと組み合わせることで、メッセージ認証通信に対応します。

また、通信スタックとしてAUTOSAR対応が必要の場合は、AUTOSAR準拠のRTE,OSと組み合わせたAUTOSARパッケージや、NM(Network Management)モジュールをAUTOSAR仕様に対応したAUTOSAR CAN NMオプションを用意しています。

ルネサスエレクトロニクスRL78/F24向け
CioRy CAN/CAN FDメッセージ認証通信モジュール構成

6.簡単コンフィグ設定

CioRyコンフィグレータの特長は、非常に簡単にコンフィグ設定ができることです。必要最低限の設定項目に絞り込んでコンフィグレーションを可能にしています。

送信メッセージ、受信メッセージのシグナル設定は、Excel形式の送受信設定表に記述し、CioRyコンフィグレータツールに読み込めば全ての設定が可能です。各種設定後は、設定情報を反映したソースコードをCioRyコンフィグレータツールが生成します。

7.利用状況に合わせたライセンス導入

CioRyのライセンス形態は、ECU試作や開発用途向けの開発ライセンス、量産ECU用途の量産ライセンスに分かれています。

ECU受注前に先行評価や試作開発を行いたい場合は、開発ライセンスを導入する事で初期費用を抑えてCioRyパッケージを自由に使用できます。ECU量産決定後は、量産ライセンスを追加で導入することで、ユーザー環境に合わせて量産品質評価を実施したCioRyパッケージをご提供します。

そのため、ユーザーの開発フェーズやご予算に合わせたライセンス導入が可能です。

8.ユーザー要望カスタマイズ

CioRyをベースソフトとして、ユーザーの要望に合わせたマイコン対応、OEM仕様対応などに対応可能です。サニー技研の豊富な車載通信ソフトウェア開発の知見、ノウハウで対応します。

カスタム項目 概要
仕様対応
自動車メーカー通信仕様、ユーザ独自仕様、特別仕様への対応
マイコン対応
ユーザー指定マイコンへの対応
その他ご要望
CioRyをベースとした派生開発への対応、ユーザ指定の追加評価、ドライバーやNMモジュールのみのご提供など

9.AUTOSAR CPへの移行

AUTOSARへの移行を検討する際、将来的にはソフトウェアコンポーネント(SW-C)構成でのアーキテクチャへの移行を検討しているが、まだ時期尚早という場合もあるかと思います。CioRy製品パッケージは、RTEは使わない、OSは不要、CANモジュールだけで良いユーザに対しては、通信スタックだけで使用が可能な構成となっています。

最初はCAN通信スタックのみでCioRyを導入しておき、将来的な拡張が必要になった際に追加でRTE, OSをパッケージ購入する段階的な導入が可能です。

CioRyユースケース

自動車メーカーへの試作出しやデモで車載通信が必要

CioRy開発ライセンスでデモ製作

小型モビリティは自動車ほどの
品質やコストをかけられない

小型軽量のCioRyを手軽に利用

CXPI通信の導入は初めて

CioRy通信ミドルCXPIスレーブパッケージを使って
開発プロジェクトを立ち上げ

ECU開発に新規参入したい

通信ミドルウェアはCioRyに任せて
アプリケーション開発に注力

自動車メーカーから短納期での対応要求

すぐに使えるCioRyを使ってプロジェクトを一気に立ち上げ

内製ソフトで自動車メーカーと商談を進めていたがECU受注が決まりそう

量産ECU通信ミドルウェアのCioRyなら品質面で安心

ECU開発はこれからなので
車載通信をどうすれば良いかわからない

サニー技研がユーザーのソフトウェア開発をサポート

AUTOSARで試作してみたいがAUTOSAR BSWは高価

CioRy AUTOSARパッケージなら導入も手軽で簡単

CioRy製品ラインナップ

CioRyパッケージ対応マイコン一覧

製品パッケージ区分 製品名 対応マイコン
通信ミドルパッケージ
(通信スタック,MCALと
CioRyコンフィグレータのパッケージ)
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F13・F14
RH850/F1L
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F24
RH850/F1K
RH850/F1KM-S1
RH850/F1KM-S2
RH850/F1KM-S4
RH850/U2A
ローム
ML63Q8057
ルネサスエレクトロニクス
RH850/F1L
RH850/F1K
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F13・F14
RH850/F1L
ローム
ML63Q8057
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F13・F14
RL78/F24
AUTOSARパッケージ
(RTE,OS,通信スタック,MCALと
CioRyコンフィグレータのパッケージ)
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F13・F14
ルネサスエレクトロニクス
RH850/F1K
RH850/F1KM-S1
RH850/F1KM-S2
RH850/F1KM-S4
通信ライブラリパッケージ
(オブジェクトコードライブラリ)
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F13・F14
RH850/F1K

CioRyオプションパッケージ対応マイコン一覧

製品パッケージ区分 製品名 概要 対応マイコン
オプションパッケージ
CAN Diagオプション
CAN Diag用Tpモジュール
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F13・F14
RH850/F1L
RH850/F1K
AUTOSAR CAN NM
AUTOSAR準拠CAN NMモジュール
ルネサスエレクトロニクス
RH850/F1L
RH850/F1K
RH850/F1KM-S1
RH850/F1KM-S2
RH850/F1KM-S4
RH850/U2A
AUTOSAR準拠メッセージ認証モジュール
ルネサスエレクトロニクス
RL78/F24
RH850/F1KM-S2
RH850/F1KM-S4

オプション対応

種別 概要
サポート契約
CioRyに関する問い合わせ対応(QAサポート)、最新Ver.提供
マイコン対応
指定マイコンへの対応
仕様対応
特別仕様、OEM仕様、オリジナル仕様への対応
その他ご要望
CioRyをベースとした派生開発への対応、ドライバーやNMモジュールのみのご提供な

サポート対応

開発ライセンス、量産ライセンスともに、導入後のサポート対応が付帯しています。(ライセンス形態によりサポート期間・対応時間制限は変わります)

ユーザーへのサポート対応は、CioRyの開発担当者が直接対応致しますので導入後の心配はありません。

カスタム受託開発

CioRyパッケージをベースソフトにして、カーメーカ―通信仕様への対応やユーザーご要求仕様にカスタマイズ対応をお引き受けすることも可能です。

車載通信ソフト開発の豊富な経験と実績があるサニー技研へお気軽にご相談ください。

お問い合わせ

CioRyへのお問い合せは、こちらからお願いいたします。