MicroPeckerX InstaGW製品情報

製品概要

CAN通信-CAN FD通信プロトコル変換ゲートウェイツール

MicroPeckerX InstaGW(マイクロペッカーエックス インスタゲートウェイ)は、CAN通信とCAN FD通信をつなぐプロトコル変換ゲートウェイツールです。
CAN通信バスとCAN FD通信バスの間にMicroPeckerX InstaGWをつなぐことで、MicroPeckerX InstaGWがCAN通信とCAN FD通信を橋渡しします。
ゲートウェイするフレーム設定はExcelベースの簡単設定。MicroPeckerX InstaGWを介して、任意のフレームをプロトコル変換して送受信することができます。

    “既存のCAN通信システムをCAN FD通信とつなげたい” を簡単に実現します。

  • CANで構築した試験環境をCAN FD向けに流用
  • CAN FD通信搭載ECUをCANネットワークにつなげて機能検証
  • 特定IDのフレームだけ抽出して通信バスに流す

 

特徴

遅延の少ない高速ゲートウェイ

MicroPeckerX InstaGWは、MicroPeckerX本体搭載の2チャンネルCAN/CAN FDインターフェースを活用してチャンネル1とチャンネル2の同一IDの間でフレームゲートウェイを行います。
ゲートウェイ処理は、MicroPeckerX本体内部で行う為、遅延の少ない高速ゲートウェイを実現しています。
即時ゲートウェイ機能では、チャンネル間のゲートウェイ遅延は3.5μsec前後となり、瞬時の送受信が可能です。

 

ゲートウェイ機能は即時ゲートウェイと通常ゲートウェイの2タイプを用意

即時ゲートウェイ機能は、MicroPeckerX本体のハードウェア機能を使ったゲートウェイ処理のため、遅延の少ない瞬時のゲートウェイが可能です。通常ゲートウェイ機能は、MicroPeckerX本体のソフトウェア処理によるゲートウェイです。そのため、ゲートウェイ送信を任意のタイミングにずらすなどの設定が可能となります。

即時ゲートウェイ機能 CH1->CH2、CH2->CH1のゲートウェイ送信を最大32個のIDまで設定可能です。
指定IDのフレームを受信した際に、片方のCHで指定したプロトコル、DLの同一IDフレームを送信します。また、ゲートウェイ対象ID、DLは、アスタリスク表記によるワイルドカード指定が可能です。
通常ゲートウェイ機能 CH1->CH1->CH2、CH2->CH1のゲートウェイ送信を最大64個のIDまで設定可能です。指定IDのフレームを受信した際に、片方のCHで指定したプロトコル、ID、DLのフレームを送信します。また、送信するタイミングは任意にずらすことが可能です。

 

◆ID絞り込みゲートウェイ

CAN/CAN FDゲートウェイ以外にも、同一プロトコル同士のCAN/CANゲートウェイやCAN FD/CAN FDゲートウェイも可能です。特定の指定IDのみをCH1のバスからCH2のバスへ流す、などの使い方もできます。

◆周期送信機能

MicroPeckerX InstaGWは、単体での周期送信機能を実装しています。ゲートウェイ処理を併用しながら、2チャンネルの周期送信が可能ですので、スタンドアロンの模擬ノードとしても利用できます。

◆ID変換(Ver.1.10アップデート機能)

通常ゲートウェイ機能において、ゲートウェイ元とゲートウェイ先で異なるIDを設定(ID変換)できます。

 

簡単設定

ゲートウェイ設定や周期送信設定は、Excel形式のファイルに記述しますので、難しい操作は不要です。
PCから設定ツールを使って、MicroPeckerX本体へ設定情報を書き込むだけで動作可能になります。
また、MicroPeckerX本体の設定情報は設定ツールで読み出しも可能です。

 

スタンドアロン動作が可能

MicroPeckerX InstaGWは、PCレスで動作します。
MicroPeckerX本体へはUSBから電源供給を行いますので、モバイルバッテリー等で電源供給すれば屋外での利用も可能です。

 


MicroPeckerX InstaGW操作デモンストレーション動画

 

ユースケース

新規開発のCAN FD通信搭載ECUをCANネットワークに接続

 

 

CAN FD通信搭載ECUを機能検証のため、既存のCANネットワークのノードと接続したい場合、
MicroPeckerX InstaGWを手軽にプロトコル変換に利用できます。

 

既存のCANシステムをCAN FD通信に変換

 

 

HILSなどの高価な評価環境をCAN FD通信に置き換えると費用がかかります。
MicroPeckerX InstaGWで安価にプロトコル変換を実現します。

 

通信バスに流れる特定のIDのCAN/CAN FDメッセージを絞り込み抽出

 

 

通信バスに流れる多数のフレームデータから、特定IDのデータのみを絞り込んでゲートウェイ。

 

周期送信スタンドアロン模擬ノード

 

 

モバイルバッテリーとつないで、簡易的な手持ちCANデータ送信機にもなります。

 

製品仕様

機能仕様一覧

CAN/CAN FDインターフェース 2CH
チャンネル毎の設定 プロトコル CAN/CAN FD選択可能
通信ボーレート:アービトレーションフェーズ 以下の4種類が選択可能
125kbps/250kbps/500kbps/1Mbps
通信ボーレート:データフェーズ 以下の5種類が選択可能
500kbps/1Mbps/2Mbps/4Mbps/5Mbps
※アービトレーションフェーズで125kbpsを選択した場合は500kbpsに補正
サンプルポイント 以下の6種類が選択可能
60%/65%/70%/75%/80%/85%
※通信ボーレート:データフェーズで5Mbpsを設定した場合は75%に補正
終端抵抗 有効/無効 選択可能
ゲートウェイ機能(共通) ゲートウェイルーティングCH ID毎にCH1->CH2/CH2->CH1選択可能
ID種別 標準ID/拡張ID選択可能
シグナルゲートウェイ なし
即時ゲートウェイ機能 ID設定可能数 最大32 (CH1->CH2、CH2->CH1合計)
対象ID、DL ワイルドカード指定可能
ゲートウェイレイテンシー 3.5μs程度[*1]
通常ゲートウェイ機能 ID設定可能数 最大64 (CH1->CH2、CH2->CH1合計)
対象ID、DL 個別設定必要
ID付替え CH1->CH2/CH2->CH1で任意のIDへ付替え設定可能
送信遅延設定 0~65535msの範囲で設定可能(1ms単位)
ゲートウェイレイテンシー 12.5μs~20μs程度(データ長依存)[*1]
周期送信機能 送信CH指定 ID毎にCH1/CH2指定可能
ID種別 標準ID/拡張ID 選択可能
設定フレーム数 最大32 (CH1、CH2合計)
送信時間の分解能 1ms
フレーム種別 周期送信
送信周期 1ms~65535msの範囲で設定可能 (1ms単位)
初回送信オフセット 0ms~65535msの葉に出設定可能 (1ms単位)
送信カウント 設定なし
同一フレームの送信間隔保証時間 機能なし
通信ログ出力機能 なし
設定情報の保存と読み出し Excel形式で保存
連続稼働可能時間 49日と17時間まで
[*1]:CAN FD通信(アービトレーションフェーズ500kbps、データフェーズ2Mbps)での計測値となります。

 

MicroPeckerX本体仕様

◆接続インターフェース

ホストインターフェイス USB 2.0 High Speed(480Mbps)
ホスト動作環境 PC IBM PC/AT互換機
OS Windows 11(64bit), 10(64bit)
CPU Intel Core i3 以上
ハードディスク 100Mbyte以上の空き容量
メモリ 4Gbyte以上
USBポート USB2.0(High Speed)対応で、1ポート必要[*1]
画面解像度 1024×768以上
その他 モニタ、キーボード、マウス
電源 USB Bus Power(5V、300mA)
寸法[*2] 65(W)×35(D)×16(H)mm
重量 45g
[*1]:外付けのUSBハブを用いて接続する場合は、必ずセルフパワー対応機器を選定いただき、外部より電源を供給した上で接続ください。USBハブをバスパワー駆動で接続した場合、動作しない、または不安定になることがあります。
[*2]:寸法には、接続端子の突起部は含まれておりません。

 

Dsub端子詳細

◆MicroPeckerX 本体・Dsubコネクタ

dsub-detail-mpx

Pin Function
1 CAN Lo(CH1)
2 CAN Lo(CH0)
3 GND
4 Not Connected
5 Not Connected
6 GND
7 CAN Hi(CH0)
8 CAN Hi(CH1)
9 Not Connected

 

◆CAN 1chクリップケーブル端子

mx-cb1-detail

Dsub端子ピン配置
Pin Function
1 NotConnected
2 CAN Lo
3 GND
4 Not Connected
5 Not Connected
6 Not Connected
7 CAN Hi
8 Not Connected
9 Not Connected

クリップリード線
Function
CAN Hi
CAN Lo
GND

 

◆CAN 2ch Dsubケーブル端子

dsub-detail-mpx
Dsub9Pin分岐(2chの端子から1ch毎に分岐)

Pin Function
1 Not Connected
2 CAN Lo
3 GND
4 Not Connected
5 Not Connected
6 Not Connected
7 CAN Hi
8 Not Connected
9 Not Connected

 

製品ラインナップ

製品型番 製品名 製品概要
S810-MX-GW1 MicroPeckerX InstaGW MicroPeckerX InstaGWソフトウェアライセンス[*1] MicroPeckerX InstaGWソフトウェア、MicroPeckerX本体、CAN2ch Dsubケーブル同梱
※Webサイトからソフトウェアライセンスファイル発行、ソフトウェアダウンロードとなります。
S810-MX-SW2 MicroPeckerX InstaGWソフトウェアライセンス InstaGWソフトウェアライセンス
ユーザ所有のMicroPeckerX CAN-FD AnalyzerへInstaGW機能を追加するライセンスです。
CAN-FD Analyzer機能とInstaGW機能を切り替えての使用となり、同時には機能使用はできません
[*1]※MicroPeckerX CAN-FD Analyzerは別ライセンスとなります。