MicroPeckerX CAN FDインターフェースモデル《S810-MX-HW2》
カスタムアプリケーション開発に最適なCAN/CAN FDインターフェース
ユーザー独自の評価環境構築を支援
車載通信の評価・開発現場では、標準的なモニタリングツールでは対応できない特殊な要件や、独自の評価手法を実装したいニーズが数多く存在します。既存のツールでは実現困難な複雑な通信シーケンス制御、特殊なプロトコル解析、カスタムデータ処理など、開発現場固有の課題を解決するためには、柔軟にカスタマイズ可能なインターフェースツールが必要です。
MicroPeckerX CAN FDインターフェースモデルは、こうした開発現場のニーズに応えるため、MicroPeckerX本体のハードウェア性能をフルに活用しながら、ユーザーが自由にアプリケーションを開発できる環境を提供します。標準アプリケーションに依存せず、プロジェクト固有の要件に最適化されたツールを構築することで、開発効率の大幅な向上と、従来では不可能だった高度な評価手法の実現が可能になります。
MicroPeckerX CAN FDインターフェースモデルとは
1. MicroPeckerX本体のみの製品
コストパフォーマンスに優れたハードウェア専用モデル
MicroPeckerX CAN FDインターフェースモデルは、高性能なMicroPeckerX本体をCAN通信/CAN FD通信のインターフェース機器として活用するための専用製品です。従来のMicroPeckerX CAN FDアナライザからソフトウェアパッケージを分離し、ハードウェアとモニタライセンスのみに特化することで、フルライセンス版の約半額という導入しやすい価格を実現しています。
必要最小限のライセンス構成
本製品には通信モニタライセンスのみが付与されており、標準アプリケーションの高度なシミュレーション機能や解析機能は含まれていません。その代わり、ユーザーが必要とする機能を自由に実装できる開発環境を提供し、プロジェクトに最適化されたツールの構築を支援します。
2. インターフェース機器として活用
豊富な開発支援ツールを無償提供
MicroPeckerX本体の真価を最大限に引き出すため、包括的な開発支援環境を無償で提供しています。Windows環境での.NETアプリケーション開発から、Linux環境でのネイティブアプリケーション開発まで、幅広い開発ニーズに対応できる多様なライブラリとドライバを用意しています。
クロスプラットフォーム対応
Windows環境だけでなく、Linux環境での開発も完全サポート。組み込みシステムやリアルタイム性が要求される用途にも対応できるよう、SocketCANドライバを含む Linux用開発環境も提供しています。これにより、車載システムの実際の動作環境に近い条件でのテスト環境構築が可能です。
MicroPeckerX CAN FDアプリケーション開発ライブラリ

MicroPeckerX CAN FDアプリケーション開発ライブラリ for Windows《S810-MX-ADL1N》
Windows環境でCAN通信、CAN FD通信を使ったユーザー独自評価ツールや評価環境の構築に最適な制御ライブラリです。
本サイトから無償ダウンロード提供しています。
Microsoft Visual C++,C#,.NET,Excel VBA,Embacadero C++ Builderなど豊富なサンプルプログラムを同梱しています。
製品ページ
MicroPeckerX CAN FDアプリケーション開発ライブラリ for Linux《S810-MX-ADL1L》
LinuxやRaspberry Pi環境でCAN通信、CAN FD通信を使ったユーザー独自評価ツールや評価環境の構築に最適な制御ライブラリです。
本サイトから無償ダウンロード提供しています。
C++版、Python版のサンプルプログラムを同梱しています。
製品ページMicroPeckerX SocketCANドライバ

MicroPeckerX SocketCANドライバ《S810-MX-SKTCD》
Linux環境でSocket通信によるCAN通信、CAN FD通信を実現するMicroPeckerX専用ドライバです。標準的なSocketCANインターフェースを提供するため、既存のLinuxアプリケーションとの親和性が高く、移植作業を最小限に抑えられます。
リアルタイム性が要求される車載システムの評価環境構築に最適です。
製品ページ3. MicroPeckerX CAN FDモニタライセンスが付属
基本的なモニタリング機能を標準搭載
インターフェースモデルにも、CAN通信/CAN FD通信の基本的なモニタリング機能は標準で利用できます。通信データの確認、フィルタリング、ログ保存など、開発初期段階で必要となる基本機能を提供し、カスタムアプリケーション開発と並行した通信確認作業をサポートします。
開発段階での動作確認に最適
自作アプリケーションの開発過程では、期待通りに通信が行われているかを確認する必要があります。付属のモニタ機能により、開発中のアプリケーションが送受信するメッセージを即座に確認でき、デバッグ作業を効率化できます。
4. フルライセンス版へのバージョンアップが可能
将来のニーズ拡張に対応
プロジェクトの進行に伴い、標準的なシミュレーション機能や高度な解析機能が必要になる場合があります。そうした場合は、別途「MicroPeckerX CAN FDアナライザソフトウェアライセンス《S810-MX-SW1》」を購入することで、フル機能のMicroPeckerX CAN FDアナライザとして利用できます。
段階的な投資が可能
初期投資を抑えてプロジェクトを開始し、必要に応じて機能を拡張していく段階的なアプローチが可能です。これにより、開発予算の効率的な活用と、プロジェクトの成長に合わせた柔軟なツール環境の構築が実現できます。
製品仕様
製品パッケージ



| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | MicroPeckerX CAN FDインターフェースモデル |
| 製品型名 [*1] | S810-MX-HW2 |
| 同梱品 [*2][*3] | ・MicroPeckerX本体 ・USB(microB)ケーブル ・同期ケーブル ・保証書兼解説書 (MicoPeckerX CAN FDモニタライセンス) |
[*1]:旧パッケージ製品《S810-MX-HW1》と機能に変わりはありません。
[*2]:アプリケーションソフトウェア、ユーザーズマニュアルはWebページからダウンロードとなります。
[*3]:CANケーブルは同梱していません。別売りとなります。
MicroPeckerX CAN FDアナライザ機能仕様一覧(モニタライセンス)
| 項目 | 内容 | |
|---|---|---|
| CAN / CAN FDインターフェース | 2ch | |
| 対応チャンネル数 | 2ch/1台、最大8ch(本体4台)までの同時接続可能 | |
| マルチチャンネル同期機能 | モニタタイムスタンプ同期 | 最大8ch(本体4台)間のモニタデータ時刻同期 |
| 通信設定 | プロトコル | CAN / CAN FD 選択可能 |
| 通信ボーレート:アービトレーションフェーズ | 以下の4種類が選択可能 125kbps / 250kbps / 500kbps / 1Mbps | |
| 通信ボーレート:データフェーズ | 以下の5種類が選択可能 125kbps / 250kbps / 500kbps / 1Mbps / 2Mbps / 5Mbps ※アービトレーションフェーズで125kbpsを選択した場合は500kbpsに補正 | |
| サンプルポイント | 以下の6種類が選択可能 60%/65%/70%/75%/80%/85% ※通信ボーレート:データフェーズで5Mbpsを設定した場合は75%に補正 | |
| 終端抵抗 | 有効/無効 選択可能 | |
| モニタ機能 | タイムスタンプ分解 | 1μs |
| ロギング可能容量 | ロギング先のディスクの容量に依存 | |
| トリガモード | フリーラン、開始トリガ、終了トリガ | |
| トリガ条件 | 指定ログ検出、キー入力 | |
| ロギング出力先 | ファイル、ハードディスク内 | |
| ロギング書式 | テキスト形式(CSV)、16進数出力 | |
ハードウェア仕様
MicroPeckerX本体仕様


| 項目 | 内容 | |
|---|---|---|
| ホストインターフェース | USB 2.0 High Speed(480Mbps) | |
| ホスト動作環境[*1] | PC | IBM PC/AT互換機 |
| OS[*2] | Windows 11(64bit), 10(64bit), 8.1(64bit) | |
| CPU | Intel社製またはAMD社製のx86プロセッサ(Core i5/Ryzen5以上推奨) | |
| ハードディスク | 10Gbyte以上の空き容量[*3] | |
| メモリ | 8Gbyte以上を推奨 | |
| USBポート | USB2.0(High Speed)対応で、接続するMicroPeckerX本体の台数分必要[*4] | |
| 画面解像度 | 1920×1080以上を推奨 | |
| その他 | モニタ、キーボード、マウス | |
| 電源 | USB Bus Power(5V、300mA) | |
| 寸法[*5] | 65(W)×35(D)×16(H)mm | |
| 重量 | 45g | |
[*1]:省電力機能を持つPCの場合は、本製品使用中にPCのスリープ、HDDの停止、CPUクロックの低下が発生しないように設定してください。
[*2]:仮想環境での動作は未サポートです。
[*3]:長時間のモニタリングをする場合は、十分なハードディスクの空き容量を確保してください。
[*4]:外付けのUSBハブを用いて接続する場合は、必ずセルフパワー対応機器を選定いただき、外部より電源を供給した上で接続ください。USBハブをバスパワー駆動で接続した場合、動作しない、または不安定になることがあります。
[*5]:寸法には、接続端子の突起部は含まれておりません。
Dsub端子仕様
MicroPeckerX 本体・Dsubコネクタ
MicroPeckerX製品ラインナップ
CAN/CAN FDツール

MicroPeckerX CAN FDアナライザ《S810-MX-FD2》
CAN通信、CAN FD通信のモニタ、ノードシミュレーションが可能な2ch対応アナライザ。
※CANケーブルは付属していません。
オプション製品

MicroPeckerX メッセージ認証機能プラグイン《S810-MX-PM1》
MicroPeckerX CAN FDアナライザのアプリケーションにメッセージ認証機能を追加するプラグインのライセンス。
製品ページCANケーブル

CAN 1ch クリップケーブル《S810-MX-CB1》
Dsub9Pinコネクタ変換ICクリップ型のCANケーブル。MicroPeckerX CAN FD AnalyzerやMicroPecker CAN Analyzerで使用可能。

CAN 2ch DSubケーブル《S810-MX-CB2》
2ch分岐型のDsubCANケーブル。MicroPeckerX CAN FD AnalyzerやMicroPeckerX InstaGWで使用可能。
