Smart-HILS製品情報

Smart-HILS《S930-SSH1》は使用部品の生産中止に伴い、2020年9月末で販売を終了いたしました。
長らくご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

製品保守(修理)サポートにつきましては、2021年3月末で終了とさせていただきます。
尚、保守部品が無くなり次第、製品保守(修理)サポートを早期に終了させていただきますので、何卒ご了承ください。

Smart-HILS

Smart-HILSはモータ制御ソフトウェア開発における様々な制約・課題を解決する低価格モータHILSです。

ターゲットとなるECU、基板、ケーブルをご用意していただくだけで、必要な制御環境(モータ+周辺機器)を専用ツールで容易に低価格で実現します。

コンパクト設計により、モータ制御ソフトウェア開発・設計・動作検証を机上で行う事が可能です。

S930-SSH1

Smart-HILS製品特長

モータ制御課題の解決へ

モータ制御ソフトウェア開発段階において、実モータを用いた動作検証には様々なリスクや課題があります。

 ✔いきなり実モータを動かすのは不安だ‥‥
 ✔ソフトウェアのバグが残っていて、機器を破損してしまうかもしれない‥‥
 ✔ソフトウェア動作検証をしたいが、実モータを動かす環境が限られている‥‥

このような課題に対して、モータを模擬したシミュレーションを行うことが可能なHILS(Hardware-In-the-Loop-Simulation)を使うことにより、実モータを用いることなく仮想的に再現した環境の中、モータ制御ソフトウェアの開発が可能になります。HILSを用いることで実機を用いた開発以上のメリットがあります。

✔テストの質を高める
 Smart-HILSを使えば、実機では危険な制御テストが可能になります。
 例えば、特定のパラメータの範囲を超える高負荷状態や障害状態でのテストは、実モータではテストエンジニアへ
 危険が伴います。Smart-HILSは模擬モータとして様々なパラメータ設定に対応が可能です。

✔開発期間の短縮
 実機の開発を伴うソフトウェア開発では、通常、実機が完成するまで制御ソフトウェアのテストができません。
 その点、Smart-HILSを使えば実機の完成までは仮想環境で制御ソフトウェアの検証ができるため、平行開発による
 開発期間の短縮を実現できます。

✔ローコスト
 実モータを使った制御ソフトウェアの検証では、ソフトウェアバグによって実モータを壊してしまう危険があります。
 また、実モータ数の制約から、開発チーム個々が実モータを使った制御ソフトウェアのデバッグが難しい場合があります。
 Smart-HILSは、一人一台のHILSをコンセプトにした小型低価格のモータHILSです。

✔コンパクト設計
  Smart-HILSは(W)180×(D)150×(H)100(mm)の小型設計で広い場所や、大規模な設備・機器が必要ありません。
  音や振動も発生しないため、机上だけで環境を構築でき、限られたスペースの環境下でもソフトウェアの
  動作検証が行えます。

大規模な場所・設備機器不要で机上での環境を構築

 

Smart-HILS概要

Smart-HILSは、仮想化対象のモータ(永久磁石同期モータ)、インバータ、角度センサ、電流センサ、DC-DCコンバータ(昇圧) をFPGAに実装した構成となっています。 ターゲットとなるECU、基板、ケーブルをご用意していただくだけで、必要な開発環境(モータ+周辺機器)を容易に構築することができます。

Smart-HILS概要(モータ1軸)


Smart-HILSはモータ・周辺回路のシミュレーション機能をハードウェアに内蔵されたビルドイン・モデルとして、モータ2軸制御を実現しています。1軸 or 2軸による制御切り替えが可能です。
 
永久磁石同期モータ、および周辺回路は理想的なモデルとしてFPGAに実装されています。
そのため、モータや周辺回路に用いるデバイスなどの個体差・高調波などのノイズ・各種損失の影響を受けません。
特に、基本的なモータ制御ロジック検証には最適です。


 
Smart-HILS付属ツール(Smart-HILS Utility Tool、Smart-HILS Spy Tool)を用いて、様々な条件下でモータ制御ソフトウェアの動作検証が可能です。

モータ制御ソフトウェア動作検証例

 

製品仕様

本体仕様

製品型名 S930-SSH1
外形寸法 (W)180×(D)150×(H)100(mm)
動作周辺温度 0~40℃
重量 1.7kg
電源入力 24V
消費電流 260mA(Max)Smart-HILS単体

 

操作・表示項目


操作/表示系 備考
①ボリューム[*1] 負荷調整(負荷トルク調整 / 負荷速度調整)×2Ch、入力電圧調整(DC-DCコンバータ入力電圧 / インバータ入力電圧)
②LCD 回転数(機械角速度)、トルク、負荷(負荷トルク / 負荷速度)、入力電圧(DC-DCコンバータ入力電圧 / インバータ入力電圧) をCh1,Ch2を個別に表示
③プッシュスイッチ モデルの動作開始/停止選択、LCDの表示内容の切替え、モデルのリセット
④トグルスイッチ[*2] 1軸 / 2軸切替え(1軸 / 2軸)、ボリューム / アナログ入力切替え(ボリュームによる負荷調整 / 外部からのアナログ入力による負荷調整)負荷切替え(負荷トルク / 負荷速度)
⑤ステータスLED 電源供給時、内部モデル初期化時、モータ回転時、2軸同期モード時、デッドタイムエラー検出時に対応するLEDが点灯します。

[*1]:HILS動作中に動的変更可能。下限~上限範囲内で調整。Ch1,Ch2個別設定可能
[*2]:各制御選択スイッチはHILS動作中の変更不可。

 

ターゲット基板との接続

ユーザーのターゲット基板とSmart-HILSとの接続は、Smart-HILSのコネクタ端子に直接接続が可能です。
Smart-HILSのコネクタピンアサインはこちらをご覧下さい。
Smart-HILS_Hardware.pdf(547KB)
 
ターゲット基板を接続する際、ターゲット基板とSmart-HILS間に信号レベルを合わせるための変換基板が必要となる場合があります。変換基板の構成例を元にお客様で事前にご準備頂く必要がございます。
Smart-HILSの変換基板に関する資料はこちらをご覧下さい。
Smart-HILS_board.pdf(669KB)

※Smart-HILSにインバータモデルが含まれる為、実インバータ基板との接続はできません。

 

Smart-HILS付属ツール

Smart-HILS Utility Tool

Smart-HILSに付属の「Smart-HILS Utility」を使用することで、モータおよび周辺のパラメータ設定が可能です。
これにより、多様な永久磁石同期モータ・周辺回路を模擬することが可能になります。
設定したパラメータはシリアル通信によって、Smart-HILSに書き込まれます。

Smart-HILS Utility Toolを使用した多様な永久磁石同期モータ・周辺回路の模擬

 ✔機能設定は、角度センサ設定、DC-DCコンバータの使用設定、モータ軸の同期設定の3つ
  ※現在、角度センサはレゾルバのみ対応
 ✔Ch毎に詳細パラメータを設定することが可能
 ✔軸/2軸独立動作では、Ch毎に独立して動作し、トルク、回転数もCh毎で算出
 ✔2軸同期動作では、Ch毎に動作しますが、各Chで算出されたトルクは合算され、機械角速度も同一として演算

 設定できるパラメータの一覧はこちらをご覧下さい。
 Smart-HILS_Utility_parameter_list.pdf(173KB)
 

 

Smart-HILS Spy Tool

Smart-HILSに付属の「Smart-HILS Spy」を使用することで、内部変数値のモニタ(グラフ表示)、ログを保存する事が可能です。フィードバック制御が意図した動作となっているか、指令値への追従性などを簡単に確認できます。

モニタ ・ロギングできるパラメータの一覧はこちらをご覧ください。
Smart-HILS_Monitor_parameter_list.pdf(337KB)

モータ制御 ソフトウェア動作の確認

 ✔モニタ周期は20us~250msまで設定可能
 ✔モニタが終了すると自動的にグラフを生成
 ✔モニタするシンボルは各Chにつき最大4つまでグラフに表示することが可能
 ✔モニタした情報をログに保存することが可能

 

 ✔Graph機能
  グラフ表示対象となっている内部演算値の推移をグラフ化することが可能です。
  また、カーソル設置箇所での時間軸に対する値、モニタした範囲での最大値、最小値も表示可能です。

 

Smart-HILS 活用事例

センサ値の取得・確認

◆ユーザーのご要求
 モータ電流値やレゾルバ角度値が正確に取得できているかを確認したい!

◆Smart-HILSなら
 モータ電流値やレゾルバ角度値が正確に取得できているかを確認したい場合、Smart-HILSで、実モータの一定回転動作を模擬することにより、制御側からのセンサ値の取得、確認が可能です。

センサ値の取得・確認

 

モータへの負荷入力

◆ユーザーのご要求
 モータへの負荷入力を色々と変えたい!

◆Smart-HILSなら
 Smart-HILS本体のボリューム、または外部アナログ入力にて、トルク負荷 / 速度負荷を入力することで、
 モータへの負荷を自由に掛ける事が可能です。

モータへの負荷入力

 

製品ラインナップ

Smart-HILS《S930-SSH1》

製品名 Smart-HILS
製品型名 S930-SSH1
同梱品 ・Smart-HILS
・ACアダプタ
・USB2.0ケーブル
・CD-ROM
 ―各種マニュアル
 ―Smart-HILS Utility Tool インストーラ
 ―Smart-HILS Spy Tool インストーラ

 

ご購入・お問い合わせ

製品のご購入、製品に関するお問い合わせはこちらまでお願いいたします。