車載通信コンパクトソフトウェアプラットフォーム《CioRy》製品情報
CioRy（シオリー）は、ECUへ簡単に搭載可能な車載通信ミドルウェアとコンフィグレータのパッケージです。ユーザーは、CioRyコンフィグレータツールを使って数分で通信設定が可能です。車載通信に必要な機能はCioRyミドルウェアが管理するので、アプリケーションからはハードウェアを意識することなく、シグナルベースでのデータ送受信を実現します。
CioRyは、自動車メーカー、部品サプライヤーなどから、40以上のECU開発プロジェクト、量産プロジェクトで使用されています。
CioRyのメリット
１．制御系車載通信に幅広く対応
CioRyは、自動車の制御系の車載通信に使用されているCAN通信、CAN FD通信、LIN通信、CXPI通信の各プロトコルに対応した通信ミドルウェアパッケージを取り揃えています。AUTOSAR準拠のCioRy RTE,OSと組み合わせてコンパクトなAUTOSAR BSWとしても使用できます。
CioRy 製品ラインナップ
2．小型軽量プログラムサイズ
CioRyの開発コンセプトは、「低負荷/省ROMサイズのため、ローエンドマイコンでも利用可能で、誰でも簡単に設定できるコンフィグレータを提供することで、ユーザーが使いやすい車載通信ソフトウェア」です。
サニー技研が四半世紀にわたって培ってきた車載通信の知見、ノウハウを投入した独自のクラスタリング技術により、小型軽量のプログラムサイズを実現しています。
| 通信ミドル | ROM | RAM | マイコン |
|---|---|---|---|
|
CAN FD |
16KB |
800byte |
RH850/F1K 送受信各2フレーム(DLC64） 受信キュー 25段 |
|
CXPI Slave |
15-20KB |
400-600byte |
RL78/F13, F14 |
CioRy ROM/RAM使用量参考値
3．開発期間、開発工数の短縮
CioRyは、量産ECUですぐに使えることを目指した通信ミドルウェアです。
車載通信インターフェースをCioRyが提供することで、ユーザーはアプリケーション開発に注力できます。そのため、開発期間や開発工数の削減、ソフトウェアの品質向上を図ることができます。
また、16bitマイコンから32bitマイコンまで幅広くCioRy製品ラインナップを用意していますので、ユーザーの使用マイコンに合わせてCioRyを選んでいただけます。
4．拡張性
CioRyのCAN/CAN FD通信ミドルウェアは、オプションモジュールを組み合わせて機能拡張が可能です。
車載通信セキュリティの対応が必要の場合は、AUTOSAR準拠のCioRyセキュリティオプションと組み合わせることで、メッセージ認証通信に対応します。
また、通信スタックとしてAUTOSAR対応が必要の場合は、AUTOSAR準拠のRTE,OSと組み合わせたAUTOSARパッケージや、NM（Network Management)モジュールをAUTOSAR仕様に対応したAUTOSAR CAN NMオプションを用意しています。
ルネサスエレクトロニクスRL78/F24向け
CioRy CAN/CAN FDメッセージ認証通信モジュール構成
5．簡単コンフィグ設定
CioRyコンフィグレータの特長は、非常に簡単にコンフィグ設定ができることです。必要最低限の設定項目に絞り込んでコンフィグレーションを可能にしています。
送信メッセージ、受信メッセージのシグナル設定は、Excel形式の送受信設定表に記述し、CioRyコンフィグレータツールに読み込めば全ての設定が可能です。各種設定後は、設定情報を反映したソースコードをCioRyコンフィグレータツールが生成します。
6．利用状況に合わせたライセンス導入
CioRyのライセンス形態は、ECU試作や開発用途向けの開発ライセンス、量産ECU用途の量産ライセンスに分かれています。
ECU受注前に先行評価や試作開発を行いたい場合は、開発ライセンスを導入する事で初期費用を抑えてCioRyパッケージを自由に使用できます。ECU量産決定後は、量産ライセンスを追加で導入することで、ユーザー環境に合わせて量産品質評価を実施したCioRyパッケージをご提供します。
そのため、ユーザーの開発フェーズやご予算に合わせたライセンス導入が可能です。
CioRyお試しライセンスは、ご購入前に期間限定でCioRy製品をお試し頂けるサービスです。
CioRy製品の性能、使いやすさなどご評価ください。
3ヶ月単位での使用許諾契約となります。
CioRy開発ライセンスは、 開発・試作(サンプル提供)用途でご使用頂けます。
開発ライセンスはマイコン単位とし、通信機能評価完了版のソフトウェア品質レベルになります。
マイコンのピン数、及び、ROM/RAMサイズ違いは同一単位となります。
CioRy量産ライセンスは、量産ECU用途にご使用頂けます。
プロジェクト単位のライセンスと複数のプロジェクトにご使用できるボリュームライセンスがございます。
プロジェクト単位は、OEM、ECUアプリケーション、マイコンが同一であることが条件となります。
量産ECU向け評価（静的評価）完了版レベルになります。
７．ユーザー要望カスタマイズ
CioRyをベースソフトとして、ユーザーの要望に合わせたマイコン対応、OEM仕様対応などが可能です。サニー技研の豊富な車載通信ソフトウェア開発の知見、ノウハウで対応します。
| カスタム項目 | 概要 |
|---|---|
|
仕様対応 |
自動車メーカー通信仕様、ユーザ独自仕様、特別仕様への対応 |
|
マイコン対応 |
ユーザー指定マイコンへの対応 |
|
その他ご要望 |
CioRyをベースとした派生開発への対応、ユーザ指定の追加評価、ドライバーやNMモジュールのみのご提供など |
8．モジュール単体で使用が可能
AUTOSARへの移行を検討する際、将来的にはソフトウェアコンポーネント（SW-C）構成でのアーキテクチャへの移行を検討しているが、まだ時期尚早という場合もあるかと思います。CioRy製品パッケージは、RTEは使わない、OSは不要、CANモジュールだけで良いユーザに対しては、通信ミドルパッケージとして通信スタックだけで使用が可能な構成となっています。
例えば、最初はCAN通信スタックのみでCioRyを導入しておき、将来的な拡張が必要になった際に追加でRTE, OSをパッケージ購入するような段階的な導入が可能です。
CioRyユースケース
CioRy製品ラインナップ
製品名をクリックすると、製品情報ページを表示します。
CioRyパッケージ対応マイコン一覧
| 製品パッケージ区分 | 製品名 | 対応マイコン | |
|---|---|---|---|
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通信ミドルパッケージ (通信スタック,MCALと CioRyコンフィグレータのパッケージ) |
ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F13・F14 RH850/F1L |
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ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F24 RH850/F1K RH850/F1KM-S1 RH850/F1KM-S2 RH850/F1KM-S4 RH850/U2A |
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|
ローム |
ML63Q8057 |
||
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ルネサスエレクトロニクス |
RH850/F1L RH850/F1K |
||
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ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F13・F14 RH850/F1L |
||
|
ローム |
ML63Q8057 |
||
|
ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F13・F14 RL78/F24 |
||
|
AUTOSARパッケージ (RTE,OS,通信スタック,MCALと CioRyコンフィグレータのパッケージ) |
ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F13・F14 |
|
|
ルネサスエレクトロニクス |
RH850/F1K RH850/F1KM-S1 RH850/F1KM-S2 RH850/F1KM-S4 |
||
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通信ライブラリパッケージ (オブジェクトコードライブラリ) |
ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F13・F14 RH850/F1K |
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CioRyオプションパッケージ対応マイコン一覧
| 製品パッケージ区分 | 製品名 | 概要 | 対応マイコン | |
|---|---|---|---|---|
|
オプションパッケージ |
CAN Diagオプション |
CAN Diag用Tpモジュール |
ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F13・F14 RH850/F1L RH850/F1K |
|
AUTOSAR CAN NM |
AUTOSAR準拠CAN NMモジュール |
ルネサスエレクトロニクス |
RH850/F1L RH850/F1K RH850/F1KM-S1 RH850/F1KM-S2 RH850/F1KM-S4 RH850/U2A |
|
|
AUTOSAR準拠メッセージ認証モジュール |
ルネサスエレクトロニクス |
RL78/F24 RH850/F1KM-S2 RH850/F1KM-S4 |
||
オプション対応
| 種別 | 概要 |
|---|---|
|
サポート契約 |
CioRyに関する問い合わせ対応（QAサポート）、最新Ver.提供 |
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マイコン対応 |
指定マイコンへの対応 |
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仕様対応 |
特別仕様、OEM仕様、オリジナル仕様への対応 |
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その他ご要望 |
CioRyをベースとした派生開発への対応、ドライバーやNMモジュールのみのご提供な |
サポート対応
開発ライセンス、量産ライセンスともに、導入後のサポート対応が付帯しています。（ライセンス形態によりサポート期間・対応時間制限は変わります）
ユーザーへのサポート対応は、CioRyの開発担当者が直接対応致しますので導入後の心配はありません。
カスタム受託開発
CioRyパッケージをベースソフトにして、カーメーカ―通信仕様への対応やユーザーご要求仕様にカスタマイズ対応をお引き受けすることも可能です。
車載通信ソフト開発の豊富な経験と実績があるサニー技研へお気軽にご相談ください。
製品仕様
対応仕様一覧
| モジュール | 対応仕様 |
|---|---|
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BSW |
AUTOSAR Release.4.0.3準拠 ICC1レベル |
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RTE |
NCES 次世代車載システム向けRTE外部仕様書準拠 |
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OS |
BCC1（ECC1対応可） |
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CAN通信スタック |
NMはカスタムでOSEK/VDX仕様、AUTOSAR NM仕様への対応可能 |
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LIN通信スタック |
LIN Rev.2.1仕様準拠 |
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CXPI通信スタック |
JASO D015仕様準拠 |
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CAN FD通信スタック |
NMはカスタムでOSEK/VDX仕様、AUTOSAR NM仕様への対応可能 |
注意事項
CioRy AUTOSARパッケージはAUTOSAR仕様に基づいていますが、AUTOSARはAUTOSAR仕様に基づいたソフトウェアを商用目的で利用する者に対して、AUTOSARパートナーになることを求めていますのでご留意ください。詳しくは、AUTOSARのFAQをご覧ください。
参照 URL： https://www.autosar.org/